複雑さ

skytree01.jpg

歴史の1ページを見ているのかもしれません。

見えそうな所へ行くと探します。

東京スカイツリー。

写真では小さいです。
でも、
中間の第1展望台の所まで建ち上がったみたい。
ということは、あと1/3くらい。
やはり、景色の中で頭1つ出ますね。


東京スカイツリーは
架構の組み方がいい。

タワーの水平方向の断面の形状が
地面真上では正三角形で、
高くなるほど丸みをおびた三角形となり
地上約320mで円となるそうです。

これは、
外観のシルエットに
日本の伝統的建築物などにみられる
「そり」や「むくり」の曲線を
意識しているため、とのこと。

かなりの精度を要求される仕事でしょうが、

きっと完成したら、
見る角度や場所によって
タワーの姿がちがうでしょう。

すーっと、細身の姿だったり、
「そり」の曲線がきれいな姿だったり、
丸みをおびた姿だったり。

そこがデザイン的にみて一番おもしろい。


単純ではなく、
見る人まかせの複雑さ。


タワーの色は「スカイツリーホワイト」とのこと。

これは
日本の伝統色、
最も薄い藍染の色である「藍白(あいじろ)」
をベースにしたオリジナルカラーで、
青みがかった白だそうです。

私は
白を選択したということに
内心「スゴくいいな」と。

白は
日本の伝統的建築物では基調色であり、
例えば、漆喰の色として使われます。

また、白は
ヨーロッパで発祥した
20世紀初頭から続くモダニズム建築でも
基調色として使われていて、
数々の白の名建築が生まれています。

白の中にもいろいろな白色があり
黄みがかった白、
赤みがかった白、
灰みがかった白、
青みがかった白などなど。

日本の伝統から発想し、
それがインターナショナルな意味あいにも通ずる。


ここにも単純ではなく、
複雑さがあります。


ただ白って、
一般的に言うと、
汚れやすい、などと
建物の外観や室内の色に使うのを
敬遠されたりすることがあります。

実は正反対です。

汚れやすさは、
どの色でも同じ。
要するに、
汚れが
目立つか目立たないか。

白は、
数ある色の中で一番、
光の反射率が高い色なので、

少しくらいの汚れならば、
光の反射で白が強調され、
目立たないのです。

例えば、近くに
外壁に白いタイルを使った家があるのですが、
その家は築30年くらい経っていますが、
外壁の汚れがほとんど目立ちません。
ただし、近寄ってよーく見ると、
年相当の汚れはあります。
ただ、そこまでじーっと見る人はいません。

汚れなどと言わずに、白を使って欲しい。


白は
単純ではなく、
複雑で奥が深い色

だから。