時代

皇居を見下ろす。

oote-mon.jpg

前川國男という建築家がいました。

その建築家は、35年位前に
皇居の脇に地上32階、高さ130メートルの日本最初の超高層ビルを構想していました。

しかし、「美観論争」に巻き込まれ
また「皇居を見下ろすとはけしからん」という非難から
結局、高さを100m以下に下げるという設計変更を行い建設するになりました。


そのビルは今でもあります。

ただ、その周りには
もっと高いビルがひしめいてます。


私は、先日セミナーで
皇居・大手門の脇の超高層ビルに行きました。

普通に皇居を見下ろしてます。


私も皇居を見下ろす位の
高い建築は建てるべきではない、と思います。

やはり美観上の問題があるので。


ただそれならば、徹底して欲しい。

時代が変われば、
当然変わるルールもあるでしょう。

しかし、美観に関しては
時代に関係なく、
ルールは徹底されるべきだと思います。

でないと、

先人たちの想い、努力が無駄になってしまうし、

未来の人々に想いを伝えられない。


美観は一度壊れると、

なかなか元には戻りません。

継承が大事です。


経済性と美観

天秤にかける話ではありません。

普通にあるもの

週末の夜の浅草散歩。

asakusa01.jpg

涼しくて気持ちよかったです。


散歩の途中で見つけました。

stained-glass.jpg

通りに面した木製の玄関引戸の欄間部分のステンドグラス。


ちょっと粋です。

何気なく普通にあります。

昔はこういうように、
普通の家に
ちょっとステンドグラスを使う、
ことがあったのです。


ただ、今はありませんね。

何故かって?

ステンドグラスは
工業製品ではなく、手作りだから。

ハウスメーカーは使いませんよね。
(イヤミではありませんよ。。。)


ちなみに、
工務店はハウスメーカーとはちがいますよ。

だから、
工務店は粋なのです。

ライトアップ

夜の姿ですか?

sensou-ji.jpg

浅草・浅草寺の夜景です。

ライトアップどう思いますか?


ライトアップされるのは、大抵の場合、建築。

夜には夜の建築の姿がある。
夜の暗闇で見えないのも、建築のある一面の姿だと思います。


特に歴史的建造物は、
夜は暗くなり、見えなくなるのが、昔からの真の姿。

それがいい、それでいい、と思います。

だから、
夕暮れのはかなさなどが
人の心を打ち、
俳句や短歌に読まれ、詠い継がれるのです。


それを昼間のように
はっきりくっきり見せてしまっては、
趣きも何もあったものではありません。


大事なのは、建築の真の姿を見せること。

付け加えの作為はいりません。


リアリティのある夜景が見たい。


月明かりだけでもいいじゃないですか。

それがたとえ暗くて何も見えなくても。

暗闇のタワー

ガンダムの格納庫に忍び込み、
暗闇の中で足元から見上げてるようでした。

skytree03.jpg

週末の夜、
東京スカイツリーの根元まで行ってみました。

周りは低い住宅。
唐突に建ち上がるタワー。

工事中だから、暗闇。

ほとんど人もいません。

工事のクレーンあり、
資材ありで、
冒頭の表現のように(ガンダム世代なもので)

現実離れした、ちょっと異様な体験でした。


なかなかこんな体験できません。
一度工事中に行かれることをオススメします。

それも夜がいい。

あまり見えすぎない方が想像力を掻き立てられるから。