人とアートと建築01

つながり方、結び方、関係性、関わり方。

どれも何かと何かの相対性を言い表す言葉です。


アートは、
絵画でも、彫刻でも、絶対的な美を求めます。

絶対的な美とは、絵そのものの美しさ。

しかし、
それを見る人との間のつながり方、結び方、関係性、関わり方を
アートと呼ぶことができると思います。

それが、相対的な美。

相対的な美とは、
例えば、絵を見た時にいつもと違う気分になったならば、
その違う気分が絵で表現したかった美であり、
絵と人がいて、はじめて美が成り立つ。


建築は、、、絶対的な美を求めてきました。
それは歴史が証明しています。

建築そのものの美しさ。

しかし、
建築を人との関係の中で考えた時、
相対的な美も存在するだろう。

建築と人がいて、はじめて美が成り立つ。

これが、現代建築の美の根本です。


ちなみに、
アートの相対的な美が、現代アートの美の根本です。

難解な現代アート、
なんでこれが作品なの、、、と思うこと多いですよね。

でも、
その気持ち、、、それがその作品で表現したかったことです。
変なの、、、その思いがその作品で表現したかったことです。

そう考えると、難解な現代アートも気楽に楽しく見れませんか。
解読しなくていいんです。


現代建築の美の話、
ちょっと難しい言い方になったところもありますが、

住宅で言えば、

家としてのモノそのものの美しさもあるけど、

そこに住む人の想いなど、
家と人とのつながりの中で考えても
いいモノ、美しいモノはできる、ということです。


だから、
予算がいくらだから、
こんなモノしかできない、などと考えるよりも

こんなコトしたい、あんなコトしたいと

想いをたくさんふくらませた方がいい、ということです。

予算と想いの調整は、設計でプロがしますから。
そこに、技とコツがあります。


だた、想いの形に固執しないことが大事です。

どんな形でも、想いは一緒だから。。。

上棟祭

時々お参りに行きます。
先日行った時にお知らせの看板がありました。

本日、府中の大国魂神社の随神門の上棟祭がありました。
御鎮座壱千九百年記念事業としての随神門の改築だそうです。

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なかなか見ることができない貴重な体験でした。

私の祖父の代から当社は神社仏閣の建築を行ってきたこともあり、
私も現代建築だけでなく、日本建築の様式にも大変興味があります。

そんなこともあり、
是非きょうは上棟祭を見てみたかったです。

普段の仕事の中で
住宅の骨組みが組み上がった時に
上棟式という形で行うことはあります。

でももっと簡略化したもので、
きょう行われた上棟祭は本格的なものでした。

言わば、正式な上棟の儀式、ということだと思います。

途中、上棟祭の起源のお話があり、
平安時代から行われている儀式だそうです。

上の写真は、
関係者が白い綱で棟木を上げる儀式(真似)をした後、
神官が棟木の所まで上がり、
合図に合わせて木槌で打ち込む様子です。


で、上棟祭の最後の儀式が餅まきです。

これを待ってる人も多そう!

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足場の所に関係者が勢揃い。
さぁ、はじまります。

みんななんか、、、見上げて、、、たいへん。
ケガしないように。。。

という私もかなり夢中で、、、なんとか取ろうと。。。


成果は、、、
白いお餅を1つ取りました。
宮司さんが投げてくれたもの(写真向かって左の紋付袴の方)。

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一緒に行った知人も赤いお餅を取り、
紅白並べてみました。

かなりの人だったので、
取れた方が少なかったのか、
紅白並べていたら、
写真を撮らせてください、という方が何人もいました。


上棟祭の後、
祭壇に近づいてみました。

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普段の仕事の中で
このような祭壇は
例えば、地鎮祭の時に設けます。

よく見ると、
並べる供物もほとんど一緒、
でも二品くらい多いかもしれません。

帰りに、
お参りしてから、
また門の所と行くと
たぶん神社総代の方だと思いますが、
供物のお米をわけて頂きました。

家でご飯を炊く時に入れてみたいと思います。


また何時このような儀式を見られるかわからないので、
ほんとうに大変貴重な体験でした。

木造耐火住宅

木造の耐火構造の住宅がつくれます。

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きょうは、講習会に行きました。


(社)日本木造住宅産業協会が実施する

「木造軸組工法による耐火建築物設計マニュアル講習会」。


今現在、この講習会を修了した者だけが

大臣認定による
木造軸組工法の耐火建築物がつくれます。

今まで防火地域での木造3階建てはできませんでした。

3階建て以上にする時は、
鉄筋コンクリート造か鉄骨造でした。
(高層ビルだと、鉄骨鉄筋コンクリート造もある)

これからは
防火地域でも4階建てまでならば、
木造にできます。


最近、木造耐火による住宅の需要が増えています。


防火地域に指定されている所は、
都心か都心に近い
大抵、駅前商店街などの密集地やその近くの利便性の高い場所が多く、
土地を探す場合でも
そういう場所を好んで探している人もいます。

しかし、そういう場所は密集地が故に
防火上、法令で木造の建築物が建てられませんでした。

したがって、鉄筋コンクリート造か鉄骨造の住宅にするしかない。

ところが、
この大臣認定により、木造が普通に可能に。


簡単に言いますと、

どこでも木造3階建ての住宅が建てれる、ということです。


鉄筋コンクリート造や鉄骨造よりは、
木造の方が建築費が安く済みますから
需要があるのです。


これは

住宅をつくる時の選択肢が増えた、ということです。


参考にしてください。

2つ目の恒例行事

毎年のことです。

9・10日はもう1つの地元の神社、
勝利八幡神社の例大祭。

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そのご寄付の札貼りのお役目に
毎年弊社が指名されます。

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神社の総代の方にお客さまが多くいらっしゃる、
というご縁もありまして、
毎年ご協力させて頂いています。

去年は、
神社の神楽殿の新築事業にも携わらせて頂きました。


この八幡様、
字の通り「しょうりはちまん」。

なので、
受験シーズンになると、
わざわざ、
この八幡様を訪ねてくる学生がいる、とのこと。


その気持ち、
私は非常にわかります。。。


なんか、、、切なくなります。

京都イメージ

京都の夜のイメージ。

関西出張で夜の京都を散策。

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先斗町です。

在り来たりかもしれません。
でもこの感じ。
ちょっと味わいたくて。

ちょうど、
京都の暑い夏の終わりかけ。

一度、
見てみたかった、
体験したかった。

川床。

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納涼床って言うんですね。
鴨川の納涼床。

うーん、京都って感じ。

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今回は、納涼床には上がりませんでしたが、
鴨川の橋から土手に下りてみました。


風がほんと心地よい。

たぶん、
納涼床でも気持ちいいはず。
次回のお楽しみです。


暑い京都の夏を

京都らしく、

粋にのり切る知恵。


川は都市のスケール。

納涼床は建築のスケール。

そこでの粋な行為は生活のスケール。


都市と建築と生活のスケールが一体になって地域性を出す。


まさに理想的なコト。

あらゆるコトの基本です。

お気に入り

最近のお気に入りです。

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自宅で使うつもりで先日購入。
でも今は、
デザインオフィスのアトリエで使用中。

中古の無名のイス。
たぶん30年位前のもの。
かな〜り安く手に入れました。

プライウッドの感じと
鋳物の肘掛けと足の感じが
たまらなくいい。

無名とは言え、
デザインのレベルの高さを感じます。

座り心地も抜群。


実は私、イスも趣味。

たくさん欲しいイスがあります。
ちょこちょこと増えてます。

あまりに高くて手が出ないイスは、
まずミニチュアから。

ここでおいおい紹介していきます。


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iittala(イッタラ)のマグカップです。

Kaj Franck(カイ・フランク)のデザイン。

自宅と事務所で使ってます。

色はターコイズ。


見た瞬間、即決。

色がいいし、
形とスケール感もいい。


使いやすいし、
コーヒーがおいしく感じますよ。

これを使ってるだけで
楽しい気分に。


見渡すと
iittalaのKaj Franckのデザインのものが結構ある。

ガラスコップなど。

色違いで。


昔と今はガラスの厚みが違います。
昔は厚かった。

昔の厚いガラスの方がいい。

デザインもののアンティークのお店に行くと探します、
Kaj Franckの厚い方のガラスコップを。


実は、
イスもマグカップも
同じ所で購入。

気になる人は、
Googleで「ロングライフデザイン」と
検索してみてください。

一番目の所。

意識しないコト

普段、人が意識しないコトに目を向けるのがデザイン。

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関西出張最後の日は、
名古屋にいました。

気になる展覧会の2日目でした。

豊田市美術館、「石上純也展」。


開館して30分後くらいに、
メイン展示の前に。


「オープニングの前に壊れました。」

その場にいた学芸員に聞きました。
予想通りの展開だったので、特に驚きません。
学生ボランティアが修復中でした。


残骸を見るのもいい。

きっと見たかったのは、
体験したかったのは、

自分の意識を超えたコト。


ならば、
その過程の方が直に伝わってくる。

そこが狙いの展示だと。。。


それで、
冒頭の言葉。


頭ではわかっているけど、

実体として、
感覚として、

わかっていなかった。


でも、ここでつながりました。

孤篷庵

一度でいいから
中に入りたい、体験したい。

金閣寺のあと、
まだ時間があったので
歩いて行ける大徳寺に行ってみました。

大徳寺といえば、小堀遠州の孤篷庵(こほうあん)。

孤篷庵といえば、遠州好みの茶室・忘筌(ぼうせん)。

ほのかな期待とともに、ダメもとで行きました。

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案の定、「拝観謝絶」の札。
ま、当たり前といえば、当たり前。

仕方なく、門の所から、中を伺う。
ちょっと変な人?!

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ただ、この石畳、見事です。

さすが、遠州。

この石の配列、目に、脳に焼き付けてきました。


本物の質。

こういうモノに触れないと、
人は絶対にいいモノを生み出せません。