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2010年11月06日

15年以上前から、、、できた当時から、、、
行きたかった博物館です。

三重県鳥羽にある「海の博物館」。

建築家の内藤廣の作品です。

sea-folk-museum01.jpg

なかなか行く機会がなく、
先の関西出張の途中に寄りました。

なぜ行きたかったか?

理由は2つ。

1つは、
この博物館建築は、絶対的な美を求めて設計されました。

しかし、
それがある方向で、ある限界点を超えると
昇華され、人とアートをも巻き込み、違った展開をみせる。

この博物館はそんな状況をつくり出しているのではないか?
それを体験してみたかったのです。


もう1つの理由は、
この建築のモノとしての完成度を見てみたかった。。。


この博物館が完成し開館したのは、バブル景気崩壊後でしたが、
計画立案・設計の時期は、ちょうどバブル景気の最中。

その頃の建築家は公共建築、とくに地方の公共建築などには見向きもぜず、
東京などの大都市で、溢れる予算を使い民間の建築を設計していました。

ポストモダニズムと称し、
時代の最先端の建築だと言いながら皆やってました。

しかし、
バブルが弾けたとたんに、
今では多少の振り返りはありますが、
ポストモダニズムの建築=悪みたいな風潮に変わりました。

一部の建築家が好き勝手にやり過ぎたのでしょう。
今でも残骸を時々見かけますが、、、

もちろん、その時代、建築家だけでなく、
全ての人が浮かれていましたから、、、何でもアリでした。


この博物館は、もともと予算があまり無かったようです。

バブルの最中です。
建築家のモチベーションは上がりますか?

今なら、上がります!
でも、その当時は難しかったのでは。。。


なのに、
建築家は粛々とできることの限界を見極めながら、
建築のモノとしての作品に昇華していった。

その結果、
バブル崩壊後に、賞賛を受けました。

今では、その姿勢がスタンダードに。

だから、
この建築のモノとしての完成度を見てみたかった。。。

sea-folk-museum02.jpg

木の架構。

使っている材料は、
決して高いものではありません。

納まりを工夫して、デザインして見せている。

その工夫は、他にも随所に見れます。

sea-folk-museum03.jpg

コストコントロールの賜物だと思います。

余分なものを無くし、
構造そのものをデザインして見せる。

ちなみに、

この木構造を住宅に応用したものがSE構法です。

sea-folk-museum04.jpg

プレキャストコンクリート版の架構。

コンクリート版を工場で製作し、
コストと精度とデザインの両立を計り、

木の架構同様、
余分なものを無くし、
構造そのものをデザインして見せる。


感銘を受けました。

建築家の誠実さと言いますか、志の高さに。


すばらしいと思うと同時に、
自分が普段考えている方向性に間違いはない、、、
志も技量も、、、と確認できました。


そして、

何よりいいのが、
ここを訪れた人が

「ね、ここいいでしょ。
前に来た時よかったから、一度連れて来たかったの!」

と家族に言っていたこと。

やはり、
建築はモノとしての絶対的な美を求めつつ、

最終的には、
そこを訪れる人やそこに置かれているアートなり何かを巻き込んで
どんな想い、衝動、感情をいだかせるか、が大事だと思います。

それは、どんな建築でも、住宅でも。


そして、

一番身近で大切な人とその想いを一緒に味わえる。。。


そんな建築を、住宅をつくり出さなくては、、、。


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有限会社仲村建築店 専務取締役 仲村和泰

有限会社 仲村建築店
専務取締役 仲村和泰

一級建築士。現代建築の設計施工が専門。特に東京特有の狭小変形地で建築理論を基にモダンデザイン住宅を設計から施工まで一貫して行う建築家として定評。世界中の近代・現代建築を見て歩き調査。コルビュジェ作品は8割調査済み。北欧フィンランドの建築家アアルトについて建築専門雑誌「新建築」でレポート執筆。プロからの設計依頼多数。

【略歴】
関東学院大学工学部建設工学科建築系卒業。株式会社像建築設計事務所に入社。その後家業である有限会社仲村建築店にて設計をはじめる。住宅のみならず店舗やオフィスビル、マンションの設計から施工までに一貫して携わる。
2001年 一級建築士取得。
日本建築学会正会員。
東京建築士会会員。