金閣寺

はじめて見ました。


関西出張2日目は、
昔お世話になった人と会いました。

私がまだ建築の世界に分け入って間もない頃に、
いろいろとご指導してくれた人です。

お忙しい中、会って頂きました。


で、帰りに時計を見たら、
まだ15時。

そうだ、金閣寺に行こう!

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普通、中学か高校の時に
修学旅行で京都・奈良へ行きますよね。

私は、
中学が東北、高校が南九州で
京都デビューは22才の時、
奈良デビューは32才の時でした。

で、
今まで2回京都に来てますが、
2回とも、金閣寺には縁がありませんでした。

確か、2回目は修復工事中。

それだけに、
今回、スキ(?)あれば、金閣寺
と思ってました。

なぜか?
見た事がないのも理由ですが、

金に興味がありました。

別に、金が好きな訳ではありませんが、

金箔を外観に貼った建物で、
これほど大きく、
また、
広大な風景の中に置かれているものは
世界でも現存するのは
たぶんこの金閣寺だけで、

それ故に
どう見えるのか?
どう感じるのか?

まさに究極の素材を扱っている訳ですから、
興味津々です。


それと、
三島由紀夫の「金閣寺」
を読んだことがあったので、
自分は何を感じるのか?
を体験したかったのです。


金閣寺は、
ある一面は魅惑的で
ある一面はパロディでした。


ある角度から見ると、
抱きしめたくなるほど
魅力的で誘惑されるかと思うと、
ある角度からは、
舞台のセットのように
現実感が無く、
すぐそこにあるにもかかわらず、
段ボールでできているが如くのちゃちさ。


この二面性がおもしろい。
この二面性が人を魅きつける。


私自身は、
好きな建築ではないけれど、

段ボールに金箔もどきを貼った様を
想像するだけで
行く価値はあるかも。

これは
嫌味でもなく、
本当に
私たちの大事な財産の1つだと思いました。


この金閣寺があるから、
対極に
今建築を考えることができる、
とも言えるかも。

京都飯

関西出張最初の夕飯は、
京都タワーの裏の居酒屋でした。

関西的な飯を求めて駅周辺をフラフラ。

ちび餃子の看板に惹かれて。

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ちび餃子は関西ですよね、東京の中華屋では見かけない。
う〜、なかなかの味。

でも、ちび?じゃなくても。この店だから?

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牛すじと大根の煮込み。
牛すじも関西のイメージが。

グツグツに煮立って登場。

めちゃ旨かった。
牛すじトロトロ。
大根しみてる。
汁最高。

ハマりそうです。

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地鶏のタタキ。
これは、
関西関係なし食べたかった。

脂があって、
弾力あって、
噛む程に地鶏の味がする。

かなり旨い。

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で、締めのラーメン。

関西でも締めはラーメンかな、と思いつつ、
このラーメン、
メニューには「うまいラーメン」と。

余程の自信か。
でも食べたくなる。

これが悔しいかな、旨かった。

「うまいラーメン」の術中に。

牛すじと大根の煮込みの汁が入ってる感じ。

あ〜、思い出す、ハマるかも。


と、
太りそうな夕飯でした。

翌日も京都滞在。

実は、
二日続けてこの店に。。。

京都駅

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関西出張最初の泊まりは京都。
駅前のビジネルホテルに泊まりました。
(写真の京都タワーホテルではありませんよ)

夜遅く京都に着いたのですが、
夕食探しにフラフラと外出。

京都は7、8年ぶりです。

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京都駅。

私が確か設計事務所に就職して2年目位の時に
駅舎建替えのための国際指名コンペがあったと思います。

そのコンペで
日本人の建築家、原広司の設計案が選ばれました。

今でも覚えているのは、
その当時話題になったからです。


高さ論争。


京都の街並みを考える時、
いつも建築の高さが問題になります。

東寺の五重塔を超えない高さ。


原広司の設計案が選ばれたのも
応募案の中で建築の高さが一番低かったから。

60m。

もちろん、それだけで選ばれた訳ではないでしょうが。


応募案の中には、高さ120mの建築も。


確かに、
京都の街並みを考えた場合、
東寺の五重塔や大文字焼きが見渡せる、
というのは大事なこと。
建築の高さを論議するのは、
大切なことで至極当然のこと。

ただ、
コンペの審査員でイタリア人の世界的建築家、レンゾ・ピアノは、
日本人の建築家、安藤忠雄の応募案、
羅生門をモチーフにした建築をイチ押ししてました。

高さは、確か120mくらいあったと思います。

イタリアも歴史的建造物の街並みが多い国。

そんな国の建築家なのに。


大事なことは、
建築の高さではないのでは。

1000年以上前にできた東寺は、
その当時の最先端の建築、現代建築でした。

それは、清水寺も金閣寺も。


京都という街は、
江戸時代までは現代建築の街だった。

明治維新後、現在に至るまで、
大きな建造物建立の機会がなかっただけで。

だから、
今、京都にふさわしい建築は現代建築だと。

たとえ、
東寺の五重塔を超えようとも。


ピアノが言いたかったこと。


京都の街並みの本質だったのかも。


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現在の京都駅。
私は個人的に好きなデザインではありません。

でも1つだけ。
夜の暗さがいい。

照明の明かりが
月明かりのようなんです。

京都の雰囲気に合ってる。

それは建築家の設計でないと実現しなかったでしょう。

だって、
よく目にするのは
白色蛍光灯の昼間のような駅舎ばかりだから。

恒例行事

毎年のことです。

22・23日は地元の神社、
六所神社の例大祭。

きょう、23日は大人神輿が出ます。

その大人神輿の巡幸の途中の休憩所に
毎年弊社が指名されます。

我が家・当社の氏神様、というご縁もありますし、
私が通った幼稚園が六所神社付属の幼稚園だったこともあり、
毎年ご協力させて頂いています。

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もう20年以上、
休憩所のお役目をしていますが、
思いつく限り、
天気はいつも晴れか曇りで
今年のように
朝から土砂降りの雨というのは
はじめてでした。

いつもは休憩用に
お酒やジュース、お菓子などを
外に台を設置して並べるのですが、

2010mikoshi02.jpg

今年は、
あまりに雨がひどく、
また気温も低いので

下小屋(作業場)に
お酒やジュース、お菓子などを並べて、
屋内で休憩してもらいました。

下小屋には、
いつもは多くても4、5人位で作業していますので、
たまに、
現場でできなくて
ここで上棟式を行うことはありますが、
こんなに人が入ったのははじめてです。

入れば入るもんです。


なんかイベントでもできるなぁ。。。


それにしても、

この雨の中で御神輿を担ぐのは
端から見てると大変そうだけど、

担いでる人たちは楽しんだろうなぁ。。。

出張

最近、ブログの更新をしばらくしていませんでした。

今月は2回程、
大きく間が空きましたが、
別にサボっていた訳ではありません。

出張していました。
関西に。

目的は、
同業者の話を聞きに行ったり、
現場を見せてもらったり。
それと、
見たい建築、
行きたい展覧会へと足を運びました。


東京にいれば、
大概のことはできそうですが、
その考えがキケンです。


ちがう場所での
ちがう考え方に触れることが
一番勉強になります。

今回は、
和歌山の同業者の方が
自身の仕事の仕方を披露して頂ける、とのことで
この機会にいろいろと関西を回ってきました。

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なかなか同業者の
仕事の仕方や現場を見ることはできませんので、
とても参考になったと同時に
自社の足りない部分もわかり、
非常に勉強になりました。

和歌山まで行った価値がありました。

今後、
このブログで
関西出張での見聞を書いていきます。

今は昔

私と同じ年です。

日本最初の超高層ビルは、霞が関ビルディングでした。

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先日の夜、仲間との食事会で行きました。

霞が関ビルディングの足元は、
今はこんな風になってます。


霞が関ビルディングより
高いビルがたくさんできたので、
存在感が薄れましたね。

日本最初の超高層ビルだと
知らない人も多そう。


東京スカイツリーは
東京タワーの約2倍の高さ。

ということは、
40〜50年後には
東京スカイツリーの倍の高さの超高層ビルが立つかも。

でもすでに
ドバイのブルジュ・ハリファは828mだから、
東京スカイツリーの倍の高さといっても1268m、
10年以内に中国あたりでできそうですね。


高さ競争に興味はありませんが、

学生の時に、
高さ1000mの超超高層ビル計画が
21世紀に向けた先端研究だったのを思い出すと、

すごく時の流れを感じてしまう、

つまり、

年取ったなぁ。

厚さ

普段意識していない部分をデザインする。

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これは、
銀座の画廊のショーウィンドウ。

たぶん、
ガラスではなく、
アクリルだと思います。

厚さを均一ではなく、
レンズ状に
不均一にしているのだと思います。

たぶん、
某建築家の
デザインだと思います。

偶然見つけました。


ショーウィンドウをつくる側は、
普段、
見せる部分をどの位の大きさ・形にするか、
それによって、耐風圧などにより
ガラス強度が決まり、
自動的にガラスの厚みを決めます。

ショーウィンドウを見る側は、
普段、
中に何が見えるか、
それによって、
興味があるかないかが決まり、
お店に入るかどうかを決めます。


ショーウィンドウは、中身をよく見せるためのもの。

そんなの当たり前ですよね。

だから、
雨風が入らないように
透明の素通しのガラスを入れる、のも当たり前。

意識するのは、
見せる中身をどうするか?


でも、
ここで
ガラスの厚みに焦点を当て、
意識してみる。

普段、
何も考えなくてもいい部分を意識してみる。


もし、
ガラスの厚みを変えてみたら。

もし、
ガラスの厚みが均一でなかったら。

もし、
ガラス以外の素材だったら。


何が変わるか?

ショーウィンドウを見る人に何か変化がおこるか?


デザインした建築家が
何を考えていたか、はわかりませんが


わたしは、

デザインする、とは

直接的に物の形や色や素材などを扱うよりも

普段意識していない部分に焦点を当てること、だと想います。


その方がたくさんの可能性があり、

きっと人の役に立つから。

時代

皇居を見下ろす。

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前川國男という建築家がいました。

その建築家は、35年位前に
皇居の脇に地上32階、高さ130メートルの日本最初の超高層ビルを構想していました。

しかし、「美観論争」に巻き込まれ
また「皇居を見下ろすとはけしからん」という非難から
結局、高さを100m以下に下げるという設計変更を行い建設するになりました。


そのビルは今でもあります。

ただ、その周りには
もっと高いビルがひしめいてます。


私は、先日セミナーで
皇居・大手門の脇の超高層ビルに行きました。

普通に皇居を見下ろしてます。


私も皇居を見下ろす位の
高い建築は建てるべきではない、と思います。

やはり美観上の問題があるので。


ただそれならば、徹底して欲しい。

時代が変われば、
当然変わるルールもあるでしょう。

しかし、美観に関しては
時代に関係なく、
ルールは徹底されるべきだと思います。

でないと、

先人たちの想い、努力が無駄になってしまうし、

未来の人々に想いを伝えられない。


美観は一度壊れると、

なかなか元には戻りません。

継承が大事です。


経済性と美観

天秤にかける話ではありません。