スベリ台

「家の中にスベリ台が欲しいんです」

立て続けに違うお客さんから要望が出た。スベリ台流行り?!

面白いので即座に
「やりましょう!」と返事。

2階から1階への移動が楽というのが理由で、それもお子さんからではなく、大人からの要望、でも別に階段は付けて、でも狭小住宅、だから面白いかな。。。

お客さんは今マンション暮らしで階段が無い生活だから、日常的な階段の移動に違和感があるのかもしれない。

建築作品にも、公共空間にも、住宅にも斜めの空間を作ったものはたくさんあり、経験もしたが、斜めの移動空間はまだまだ可能性があると思う。

太古の昔、人は素足で野山を駆け巡り、その時はむしろ水平な地面の方が無かったハズ。

人の意識の奥底には、水平ではない地面でバランスを取りながら生活をする能力が眠っている。

その能力を呼び覚まそうと、今は亡き荒川修作さんが養老天命反転地を作り、その住宅版を三鷹に作ったけど、まだまだ可能性があるような気がする。

人の身体感覚と無意識と記憶をつなぐことで新しい空間の可能性があるハズ。

人の記憶が詰まったDNAを検査して、例えば、将来の疾病リスクから、未病のために日常生活はこういう姿勢で送るといいなど、その人の特性に合わせて家を設計することも現実的にはすぐそこまで来ているかもしれない。

建築やデザインは知覚することで判断できるものだけれども、人が知覚できる世界が極一部ならば、それ以外の所に建築やデザインの可能性はあるハズ。

それにしても、スベリ台流行り?!!