即興としつこさ

ほんの小さな違いを生む種のようなものを探して埋めていくような作業の繰り返しが初期の計画案づくりかもしれない。

その種は人のこころに響くものを基準に探す。たぶん1回では探しつくせないし、繰り返すことでしか探せないものもある。だから、そもそも1回では終わらない。

そう考えると、計画案づくりは型にはめるのではなくて、その場での即興と、粘着的なしつこさが必要だろう。

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積み重ねながら

小片を積み重なるがごとく集めて、ひとつのものをつくりあげるように考えるのが面白い、と最近思う。はじめに何をつくるかを決めて、そこに向かって集めていくやり方もあり、たぶん世の中の大多数のプロジェクトはそのやり方だろう。ただ、はじめに決めてしまうことで、すでにさまざまな可能性を潰すことになりはしないか、と思う。

とりあえず、少しずつ集めていきながら、それらを積み重ねながら、何にするかを考えても許されると思うし、その方がその都度可能性の見極めができる。やはり、可能性に焦点をあてながら積み重ねた方が面白い。

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琴線に触れるもの

琴線に触れないものをつくっていても意味がないとおもう。なんでもそうだが、惹かれるものがある。ときにそれは素晴らしいとおもっているだけかもしれない。おもっているだけとは、そのようにおもわされているだけなのかもしれない。まるで記号に反応するように、まわりの声や評判、評価、教えなどに左右される。

ただ、琴線に触れるものはそこからは生まれないような気がする。結局、琴線に触れるものは本当に求めていたものなんだなとおもう。琴線に触れなければこころは動かない。

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感動のきっかけ

気分が変わるときは、なんらかのきっかけが必ずある。気分だけがひとり歩きすることがあるかもしれないが、それでも必ず気分が切り替わるときはきて、そのときには何かのきっかけがある。

きっかけは何でもいいが、建築がそのきっかけになることは、つくる側としては嬉しいことである。願わくば、いい方に変わってほしい。そのためにつくりたいと思う。

気分の変化がいい方に極端だと、感動や崇高を抱くのだろう。できれば感動や崇高まで気分が変わるきっかけを建築が担えれば最高である。

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すべてはフレームワーク

あるフレームの中でかんがえればいいのは楽だ。だいたい、習慣というのはフレームワークで、いったん、フレームができてしまえば、中身を入れ替えるだけで何でも習慣にできる。建築も同じで、フレームさえできてしまえば、中身を入れ替えるだけで何でも建築にできる。だから、建築も習慣だとかんがえてもいい。

ならば、フレームをつくるところで汗をかけばいいのか。いや、フレームをつくるときにも、もっと大きな前提的なフレームが作用している。結局はすべてフレームワークなのだ。だから、フレームの外へにも行こうとおもえば行ける。

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過去と現在のズレ

過去の時の流れに現在の時の流れを重ね合わせてみると、当然、ズレがあらわれるはずである。そのズレだけを表現すれば、全てを見せるまでもなく、過去と現在の時の重ね合わせがわかり、時間をデザインに取り入れることができる。

建築でいえば一番わかりやすい場合は、リノベーションの場だろう。過去からの時の流れに現在これから必要とされる時の流れを重ね合わせる作業がリノベーションとも言える。だから、過去の部分と現在の部分をどのように見せるか、またはどこを見せないか、がまず第一に重要になる。

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過去と現在の同居

時間は重なり合うことができるのか、とかんがえてしまう。過去と現在とは時間でつながっているけれど、建築では分断されることが多い。リノベーションなどにより、全てが解体されない場合も増えたけれども、またまだスクラップアンドビルドが多い。

過去の時間を記憶に変換し、新しい建築にいかすことはよくみられる。端的にいえば、記憶をモノにうつし、そのモノをデザインのパーツにしてしまう。それは視覚的にわかりやすく、時間を途切れさすことなくつなげようとする意図もよくわかり、過去と現在が重なり合い同居できる。

ただ、時間という目に見えないモノを見えるようにすることで、様々な解釈ができる多様性をもひとつだけに具体化してしまっているようにもおもえる。もう少し解釈の余地を残した時間の重なり合いを目指したい。

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