人工の建築で自然の中にいるような

この季節、梅雨の晴れ間の適度な湿気がある風が心地よくて、緑の中を散歩したくなります。現場からの帰りに井の頭公園の水辺を歩くと、ほんとうに気持ちがいい。誰もがベンチでくつろぎ、思い思いに過ごしている。

こういう心地よさや気持ちよさを建築でどうやって表現するか、実現するか、そのままの緑や水辺をつくることができれば一番よいのかもしれないですが、敷地が狭かったり、そもそも庭がつくれないとどうしようもない。

建築家のアアルトはフィンランドの豊かな自然を造形、素材、光で建築の中に表現した。自然の中にいるような心地よさや気持ちよさを人工の建築で実現しようとすれば、自然をそのまま再現しても、それはどこまでいってもギミックであり、人の深層心理である心地よさや気持ちよさはそのような作為を見抜き拒絶反応を起こす。

ならば、人工である建築で自然の中いるような心地よさや気持ちよさを実現するには、それにふさわしいデザインが必要になる。そのデザイン要素がアアルトの場合、造形、素材、光だった。

では、造形、素材、光とは何なのか、それはまた次回、心地よさや気持ちよさを表現する建築デザインの話として、ここに書きます。

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