自分でつくるとは精度による

自分でつくる、といっても、自分でつくるわけではなくて、人につくってもらう。自分で構想して、人につくってもらっても、自分でつくるという。つくる、ということに対して、自分の手を実際に動かすかどうかはあまり関係がないと思っている。

だから、自作といっても、構想はするけれど、実際に手を動かしてつくるのは専門の職人かプロに任せる。趣味程度でよければ、自分の手を実際に動かしてつくるが、それでは、出来上がったものに、その精度に満足できないのがわかっているから、自分では手を出さないし、そもそも趣味程度のものをつくるために構想はしない。

今までに建築において、実際に自分の手を動かして自作したことは何度かある。その時は予算が無かったのと、ちょっとやってみようかなという気持ちになったからで、ただ、精度を求めてつくり方を考えたが、やはり、その道の専門の職人では無いので、引き出しが無いというか、自分ができる範疇でしか考えられないので、出来上がったものは、それはそれで良いのだが、何かもの足りなかった。

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ただ、精度を求めなければ、つくること自体は楽しいので、上手に楽しさと精度のバランスが取れるならば、自分の手を実際に動かしてつくりたい。しかし、常に出来上がりの精度が気になるし、その精度も求めているデザインの範疇だから、高い精度でないと満足できない。

自分の手を実際に動かしてつくることは、精度の曖昧さがデザインの特徴になる場合でしか成り立たないのかもしれない。

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