時間軸を付加

再生や再利用にはもともと時間が付着している。

時間とは、建築にとっていつまでも変わらない尺度であり、通常の新築であれば時間軸は1つだが、再生や再利用することで、また違った時間軸を付加することができる。

この付加された時間軸をデザインにいかすのが再生や再利用の面白さであり、醍醐味である。

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再生は感じ方

見覚えあるモノがまた別の使われ方をして目の前に現れたら、きっと受けとる感じは今までとはちがってくるだろう。

感じ方はモノの使われ方や現れ方に依存するのかもしれない。そんなことをぼんやり考えていたら、再生や再利用は感じ方をあつかうことだとすることもできるのではと思った。

今まで再生や再利用という言葉には、モノに偏重しすぎて何か歪みをいだいていたが、新たな感じ方をつくると考えると、また新たな思考がまわりはじめた。

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現れない

そこにあるモノが自分と関係があるかないかを決めるのは、そこにあるモノがあることによって自分が成り立つ状況かどうかであり、そうすると自分が成り立つために必要なモノはとても限られるかもしれない。無くも自分が成り立つならば、それは無くてもいい。

そう意識すると、モノの現れ方も変わるかもしれない。そもそも関係がないモノは現れなくなる。

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揺さぶるには

目の前に現れるモノが予測とはちがうとき、当然人は感情を揺さぶられる。予測は過去の経験や知識などからくるが、それは目の前に現れるモノが必ず自分と何か関わり合いがあることが前提になっている。だから、関わり合いがはじめから何も無いと思うモノに感情は揺さぶられない。

ならば、関わり合いの有無が感情の振幅に関係があることになり、モノそのものがどうかより、そのモノとの関係が有るかどうかがまず感情を揺さぶるための第一歩になる。

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現れ方

人の感情を揺さぶるようなモノはどういうモノだろうか。モノそのものとしては案外わかりやすく存在するものかもしれない。モノそのものなら案外容易く人は感情を揺さぶられるかもしれない。ただし、その振幅は人によるかもしれないが。

もう少し別の見方をすると、モノそのものではなくて、モノの現れ方だけでも人の感情を揺さぶるだろう。モノそのものはいろいろな要件が絡んでコントロールがむずかしくなることもあるが、現れ方は相対的に取り扱うことができるから、モノそのものとは関係がないところでコントロールすることもできる。

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隠蔽ではなく

建て替えにあたって、一度解体したモノを再利用しようと考えている。ただ単に古材を使うということばかりではなく、そこに古材が持っている時間の要素をはさみ込み、新たに現れるモノが見た目ですべてを語らないようにしようと考えた。

見た目ですべてを語るようにわかりやすくつくることは大事だが、ときにもっと大事なことを隠蔽してしまうような気がする。隠蔽するのではなく、どのように現すかがデザインだとおもう。

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退隠

目の前にあるものがそのままありのままを表していないとしたら、それは何かが退隠している証拠であり、それをどうするか、そこに可能性があるのではないか、などと考えてしまう。

そもそもデザインや設計は退隠しているものを相手にするものと考えているので、むしろそこに焦点を合わせたい。

ではなぜ退隠しているのだろうか?何が退隠しているかより、なぜ退隠しているかの方が大事かもしれない。なぜがわかれば、何を退隠させて何を表に出すが自由自在にできる。まさにそれがデザインや設計だとおもう。

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